STAR WARS(ATARI)

実機について

"May the Force be with you."

1983年、ATARIから登場。
世界的に大ヒットし、今なお人気の高いSF映画の大作「スターウォーズ」のシューティングゲーム。
実写作品シリーズの1作目である「エピソード4:新たなる希望(1977年)」を題材としている。
画像表示はベクタースキャン方式を採用しているため、グラフィックは簡素なワイヤーフレームである。
コクピット型筐体に乗り込み、反乱同盟軍の主力戦闘機"Xウイング"を操作する。
プレイヤーは"Xウイング"のコクピットから、常に前方を見る視点となっている。
更に画面両側には、"Xウイング"の主武装である4門のレーザーキャノンが見えており、
実際の映画のシーンの様な、非常にリアルな視点になっている。

ストーリーは、映画のクライマックスシーンでもある、帝国軍の巨大要塞"デス・スター"破壊作戦を再現している。
ゲーム開始時にEASY、MEDIUM、HARDの3つから、好みの難易度を選ぶ。
"Xウイング"には、敵の攻撃や衝突に耐えられるシールドが6つ装備されている。(最大9つまで)
なお、敵弾は全て自機の攻撃で破壊可能。
ステージ開始と同時に、帝国軍の汎用戦闘機"TIEファイター"が迎撃に現れる。
暫く"TIEファイター"と戦闘すると"デス・スター"に接近し、そのまま自動的に要塞表面に侵入する。
要塞表面には多数の砲台が設置されている。更に暫く戦闘を続けると砲台や障害物が設置された巨大な溝へ侵入するシーンに変わる。
映画と同様に、溝の奥にある要塞の弱点の廃熱口へ光子魚雷を打ち込む。(通常通りに廃熱口へ攻撃を当てる)
攻撃に成功すると、"デス・スター"は内部から破壊され、難易度の上昇した次ステージへ移行する。
失敗すると、再び溝の侵入シーンからやり直しになる。

ワイヤーフレームの簡素なグラフィックながら、音声合成による仲間との通信や名ゼリフも再現するなど、
原作の世界観は損なわれておらず、当時は非常に人気を博した。
続編として1985年に、同じベクタースキャンを採用した「STAR WARS-The Empire Strikes Back-(帝国の逆襲)」が登場。
更に1987年には「STAR WARS-Return of the Jedi-(ジェダイの帰還)」が登場した。
前2作と異なり、画像表示に一般的なラスタースキャン式を採用した、斜め俯瞰視点の2Dシューティングゲームである。

【関連項目】
・「スターブレード」(ナムコ・1991年)

戯言 3Dシューティングゲームの歴史を語ると、必ず登場する名作ですね!
ナムコの「スターブレード」など、宇宙を舞台とした3Dシューティングゲームに多大な影響を与えた作品です。
ファンの多い海外では現存する筐体も結構残っている様ですが、日本では唯一(?)の海外作品専門のゲームセンター「KINACO」に設置されています。
店の場所も作者の自宅から程近い大阪・日本橋(オタロード近辺)なので、営業日を調べて体験しに行ってまいりました!
ナムコの「スターブレード」や下記のアーケードゲーム等、後世に登場する3Dポリゴングラフィックのゲームと比べると、
ワイヤーフレームは時代遅れな表示法ですが、原作と同じBGMと音声合成で良く喋る事も相まって、不思議と世界観とマッチしてるんですよねぇ…
ステージは非常に短いですが、作品の見せ場はしっかり押さえてあって、操作に慣れれば誰でもルーク・スカイウォーカーになれます(笑)

作者の場合、映像作品としての「スターウォーズシリーズ」は大好きですが、フィギュアやグッズを集める程には熱中していません。
映像作品の最新作やリメイクが出る度に、業務用・家庭用問わず様々なメーカーからゲーム化されてますが、
作者が熱中したのはセガの「スターウォーズ アーケード(1994年)」と、同じセガから「スターウォーズトリロジー アーケード(1998年)」、
最近は3D酔いも僅かに改善されてきたので、バンダイナムコの「スターウォーズ バトルポッド(2014年)」に熱中しています。


おまけ

この筐体を制作した後、改めて貴重な実機をプレイしました。
我が地元の大阪市西成区からも程近い、日本橋電気街の裏通りにある、
海外レトロゲーム専門のゲームセンター「KINACO」。
ココは「ペーパーボーイ」「ミサイルコマンド」「ハードドライビン」「ルナランダー」…等々、
ATARI製を中心とした貴重な洋物レトロゲームの業務用純正筐体が、
何と10台以上も、プレイ可能な状態で設置されています。
但し、同店は不定期営業なので、訪問する場合は同店のツイッター等で必ず、
営業日と開店時間を確認してから訪ねてください。
貴重な「STAR WARS」の純正筐体。
外装も殆ど傷らしき物も無く、30年以上も非常に美しく保たれているのは奇跡に近いですね。
ゲーム画面。
解説にもありますが、ワイヤーフレームの簡素なグラフィックながら、原作と同じBGMが流れて、
音声合成で良く喋る事も相まって、コレが不思議と世界観とマッチしてます。
座席の背後にもスピーカーがあって、大音量で響く発射音や爆発音もゲームを盛り上げます。
両手で扱う操縦桿も非常に軽く、ジョイスティックを採用した同系統の作品よりも腕が疲れにくく快適でした。
更に敵弾が破壊可能な点も、3Dシューティングゲームには在りがちな、
避けきれない位置から出現する敵や障害物との、理不尽な衝突によるストレスも回避できます。
後のセガ版2作品や、ドームスクリーンを採用した最新作のバンナム版も好きですが、
リアルな3Dポリゴンとは違う、別の味わいがあって良いと思います。

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